近畿大学通信課程で図書館司書を目指すブログ

社会人が司書資格の取得を目指すブログ

司書資格を取得しました!

無事、後期のメディア授業にて「情報サービス演習」と「情報資源組織演習」を合格することができ、これで司書資格の条件となる全ての科目の単位を取得することができました。
学習の手引を見ると、来月には修了証書が届くようなので、楽しみです。

最終的には、以下の成績となりました。
個人的には点数というのは先生の志向や趣味によるところも大きいと思っているのであまり気にはしていませんが、一つ「可」となってしまったのは残念でした。

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司書資格の勉強を振り返ってみると、日頃、我流でネット検索を多用している中で、学術的な「正しい」情報検索手法について学ぶことができたのが一番良かったかなと思います。
現代において情報検索リテラシーは基礎科目と言えると思うのですが、残念ながら私が学生のころに情報検索に関して深く教わった記憶は無いです。
もちろん、現在では利用教育も過去に比べて盛んになっており、改善されている部分もあると思います。

リファレンス等の情報サービスについては、テキストで学習するものというよりも実践で身につけるものという印象をうけました。
リファレンスサービスについてはシステム化の研究もかなり進んでいるようですが、対人コミュニケーション部分などまだまだ人の力が必要な部分も多いので、リファレンス技術をもった司書というのは図書館サービスにおいて重要な要素となるはずです。

あと、個人的に最も面白かった科目は図書館史でしょうか。私は歴史はとても好きで、図書館もとても好きなので、その両方の要素を持つ科目は当然面白かったです。
また、次点は生涯学習概論です。生涯学習は個人的に社会の進歩のためにものすごく重要なものだと思っています。しかし、生涯学習という考え方は、文科省がそれなりの予算を割いて施設を建てたり施策を行ったりしている割に、一般認知度(もしくは一般の方の生涯学習への取り組み)は低いのではないでしょうか。生涯学習という考え方くらいは中学や高校で学んでもいい気がします。(もしかしたら既にそうなっており、私が忘れているだけかもしれませんが・・・)

一方で、私の大学時代の専門は情報工学の特にWeb検索や自然言語処理等だったのですが、目録法などの分類手法については若干時代遅れ感がありました。
学術を学ぶ上での基本として、これまでの技術の進展の流れを抑えるのはもちろん重要だと思いますが、カード目録等のレガシー技術の解説に割く時間を減らして、最新の検索技術についてもう少し触れてもいいかなと思います。


全体を振り返って、図書館に少しでも興味がある人なら、司書の勉強をしてみるのは価値があると思います。いち利用者として何気なく利用していたOPACやリファレンスサービスなどがどのような理論に基づき行われているのか、またそもそも図書館はなぜ設置される必要があるのかなど、学ぶべきことは多いと思います。


ともあれ、無事予定どおり1年で司書資格を取得することができてほっとしております。
このブログについても、おそらくこれで最後の更新となるかと思います。(何か書きたいことができたらまた書くかもしれないです笑)

これまで見ていてくれていた方、コメント頂いた方など、本当にありがとうございました!

司書資格の学習の進捗状況(8月末時点)

8月までの学習の進捗状況です。無事、8月で全てのレポートに合格することができました。
期末週末試験も全科目受験が終わり、後は2科目について採点結果待ちの状況です。

演習については、10月からメディア授業の受講が可能なのですが、その時期はプライベートが多忙であるため、おそらく年明け1月ごろに受講することになると思います。

もう少しで司書資格が取得できる所まで来ました。メディア授業まではしばらく休止状態となりますが、休止明け後も気を抜かずに頑張りたいと思います。

基礎科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
生涯学習概論 3/17 4/5 6/27
図書館概論 3/10 4/5 6/27
図書館情報技術論 3/14 8/9 8/27
図書館制度・経営論 4/15 5/1 6/27
図書図書館史 3/29 4/10 7/27

図書館サービスに関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館サービス概論 4/26 5/17 6/27
情報サービス論 5/17 6/18 7/27
児童サービス論 6/6 6/17 7/27
情報サービス演習 - - -

図書館情報資源に関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館情報資源概論 7/13 8/4 8/27
情報資源組織論 7/21 8/11 -
図書館情報資源特論 7/18 8/13 -
情報資源組織演習 -- -


以下、参考記事です。

zbtn.hatenablog.com

図書館情報資源特論 レポート(合格)

図書館情報資源特論のレポートです。これで全てのレポートに合格することができました。


設題

逐次刊行物の意義及び特性について述べ、さらにその種類について簡潔に説明せよ。  

解答

1.逐次刊行物の意義について
逐次刊行物とは、次々という意味の「逐次」と「刊行物」の合成後である。図書館用語集によると、逐次刊行物とは、「一つのタイトルのもとに終期を予定せず、巻号・年月次をおって逐次刊行される出版物」ということになる。したがって逐次刊行物とは、新聞や雑誌だけではなく年鑑や年報、不定期に発行されるニューズレターや大学の紀要などを含めた継続出版物の総称である。

2.逐次刊行物の特性について
逐次刊行物は、以下の4つの特性を持つ。

①内容の速報性
逐次刊行物は、最新の情報や研究の成果をスピーティに掲載し速報できるため、時代に合った情報を提供できるという特徴がある。
②内容の特定性、部分性
図書がある一つのテーマに対して十分な紙面を費やし、論述をまとめるのに対して、逐次刊行物では、そのテーマのある部分に焦点を当てたり、断片的な事柄や限定されたテーマに対しても、雑誌記事や論文の形で情報を提供できる特徴がある。
③刊行の継続性
年鑑・白書のようにいくつかの巻に別れて類似した体裁で継続して出版されるので、データや数値の変化を過去に遡って知ることができる。
④執筆の多元性・多次性
逐次刊行物においては通常は複数の執筆者がそれぞれの論文・記事を掲載しているため、相互に関係を有していないという面で多元的と言える。また、記述内容がオリジナルな場合も、紹介記事である場合もあり、一次資料と二次資料が混在しているという特徴もある。

以上のような特性を有する逐次刊行物は、通常は販売期間を過ぎると在庫がなくなるので、バックナンバーを調査したい場合には、図書館を利用することになる。各種年鑑・新聞などは図書館でも利用価値の高い資料の一つである。ただし、逐次刊行物を管理する際には、タイトルの変更前後での継続性を担保するためにその変遷を関連付けて明確に記録しなければならない。

3.逐次刊行物の種類について
逐次刊行物には、以下の様な種類がある。

①雑誌
雑誌とは、「同じ誌名のもとで、無期限に継続的に刊行され、巻数や号数のつけられた出版物」である。図書より速報性が高いぶん、内容の質の面でバラツキもある。
雑誌は、8桁の固有番号ISSNで識別できるようになっている。また、雑誌は学術研究のための学術論文を収録している学術雑誌(Journal)と一般大衆向けの雑誌記事を掲載して市販される商業雑誌(Magazine)に大別することができる。その他の雑誌としては、官公庁の月次報告書や自治体の広報誌、団体・協会の会報誌、企業のPR誌や社内報も含まれる。
さらに、雑誌はその刊行頻度(週刊誌、月刊誌、季刊誌等)や使用言語(和雑誌、洋雑誌)、対象読者(女性誌、男性誌、幼児誌等)に細分化して区分することができる。

②電子ジャーナル
電子ジャーナルとは、電子機器を利用して提供される雑誌のことである。電子雑誌、電子ジャーナル、オンライン雑誌、オンラインジャーナルといった呼称がある。現在では、「主にインターネットを通じて電子的に配信される雑誌」を電子ジャーナルとする考え方が一般的である。
電子ジャーナルには、「印刷版と電子版を両方提供する」ものと、「インターネット上のみで刊行され、対応する印刷版を持たない」ものの2つのタイプに分けられる。多くの電子ジャーナルは前者のタイプである。
電子ジャーナルの長所として、データ量に制約がないこと、出版までの持間を短縮できること、複数の利用者が同時利用できることなどがあげられる。一方で短所としては、流し読みができないことや物理的な「物」として残らないことなどがあげられる。

③新聞
日々の出来事を知らせるメディアの一つが新聞である。新聞は、ニュース報道を中心に日刊またはそれに近い頻度で刊行される、綴じていない印刷物である。
新聞には多くの種類がある。紙面内容の観点からは、あらゆる分野にわたる広範なニュースを扱う「一般紙」と、特定の産業・経済や専門分野などの話題に限定した「専門紙」に区別することができる。そのうち専門紙は、ビジネス全般の「経済紙」や特定業種のニュースをきめ細かく報じる「業界紙」、スポーツを中心に芸能や娯楽を取り上げる「スポーツ紙」、新刊の書評を専門とする「書評紙」などの種類がある。また、刊行頻度の面からは、「日刊紙」「週刊紙」「月刊紙」「不定期刊紙」といった種類が存在する。
一般紙は、配布地域別に「全国紙」と「地方紙」に分けることができる。全国紙は「読売新聞」「朝日新聞」「毎日新聞」「日本経済新聞」「産経新聞」の5紙である。地方紙は複数の都府県にまたがる広域地域を対象とする「ブロック紙」と、県単位で発行される「県紙」とにわかれる。

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図書館情報資源特論の参考文献はなかなかチョイスが難しいですが、「レポート設題集」にのっているものを真似させてもらうとこのあたりでしょうか。

図書館資料論 (図書館情報学の基礎)

図書館資料論 (図書館情報学の基礎)

日本の参考図書

日本の参考図書

1単位ということもあるのか、学習内容としてはあまり難しくない科目でした。テキスト自体は読み物としてとても面白かったのですが、レポートとテキストがあまり一致していない印象です。

以上、図書館情報資源特論のレポートでした。

本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

情報資源組織論 レポート(合格)

情報資源組織論のレポートです。技術的な内容で面白い科目でした。


設題

Ⅰ.目録作成業務にコンピュータを導入することによって、いかなる成果が得られるか、特に集中目録作業と共同目録作業との関わりから論述してください。
<キーワード:MARC、集中目録作業、共同目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ>

Ⅱ.日本十進分類法(NDC)の特徴について長所と短所を中心に論述してください。<キーワード:総記、十進記号法、列挙型分類法、補助表>   

解答

以下、目録の作成におけるコンピュータの導入によるメリットや変化、及びNDCの特徴や長所・短所について述べる。

Ⅰ.目録作成業務へのコンピュータの導入について
 古くから用いられてきたカード式の目録には、他の図書館と共同で目録を作成することが困難なことや、カード目録の維持コストが高いことなど様々な課題があった。そこで、コンピュータ技術の発展に伴い、近年ではコンピュータを用いた目録作成・管理が一般的となっている。
コンピュータを用いた目録作成方法として、「集中目録作業」及び「共同目録作業」の2つの方式がある。以下にそれぞれの方式について述べる。
 集中目録作業は、一つの機関あるいは組織が目録レコードを作成し、他の図書館へ配布を行うという方式である。日本では、国立国会図書館や民間企業などが目録レコードを作成する役割を担っている。作成された目録は、MARCと呼ばれる形式にて他の図書館へ配布される。MARCレコードは、国や地域により様々ななフォーマットで提供されている。日本では古くから「JAPAN/MARC」形式にて目録の配布が行われているが、近年では世界的な主流である「MARC21」形式が利用されることも多い。MARCレコードの配布を受けた図書館は、配布されたMARCレコードを自館のシステムに取り込み、活用する。
 一方で、共同目録作業は多くの図書館が分担して目録を作成する方式である。目録作成作業に参加する各図書館は、ネットワークで結ばれていることが前提となる。また、参加図書館が共通してアクセスできるデータベースを構築・維持管理し、共同利用することになる。この、複数の図書館からアクセスされる共同データベースを維持管理する組織を「書誌ユーティリティ」と呼ぶ。日本では、学術情報センターから転換され設立された国立国会図書館(NII)がその役割を担っており、NACSIS-CATという総合目録データベースシステムを運用管理している。近年では、NACSIS-CATに収録された目録情報に加え、国立国会図書館の所蔵目録や古書店の在庫目録、電子書籍等の本に関わる様々な情報源を統合した「Webcat Plus」を開発・提供している。
 共同目録作業による目録作成は、作業の負荷分散というメリットがあるが、デメリットとして複数人による作業のためレコードの品質担保が難しいことが挙げられる。例えば、NACSIS-CATでは2003年の調査では重複等の原因による書誌レコードの削除率が7.3%にも達しているといったことも報告されている。

Ⅱ.日本十進分類法の長所と短所について
 日本十進分類法(NDC)は、日本の多くの図書館で採用されている標準的な分類法である。NDCはアカデミックな知識の体系に準拠した観点分類法、全知識分野を対象とした一般分類法、分類項目を予め分類表に用意しておく列挙型分類法を取り入れたものであり、階層的な表現が可能な十進記号法を採用している。NDCは基本的にはデューイ十進分類法にならった構成となっているが、日本固有の特性が加味された分類表となっている。
 NDC及び十進記号法の長所として、主題の階層構造を数字の桁数で表現できるため、分類体系と記号体系が一致しており、理解しやすい分類であることが挙げられる。また、新たな分類区分の追加に対しても柔軟に対応できる。
 一方で、常に9区分で分類をしなければならないという欠点もある。そこで、NDCでは9分類に満たない場合は、本来ならばその下位となる区分を昇格させて番号を詰めるといった対応を行う。一方で9分類より多い場合は、「その他」という分類を設けて対応を行う。このような対応を行うと、十進記号法のメリットである分類体系の階層性が崩れることになるため、NDCの細目表では字下げなどを用いて本来の階層構造を示す工夫を行っている。
 NDCの細目表は、各階層ごとにその知識分野を1~9までに分類し番号を振り、0は総記としてその知識分野における総合的・包括的な領域の書籍に対して割り当てる番号とする。これを繰り返し、その主題に対して必要かつ十分な分類となるまで階層的に分類を設定する。
 このようにして作成された細目表に適用できる分類が存在しない場合は、補助表を活用する。細目表の分類項目に加えて、補助表の記号を合成することで、より正確な分類記号を書籍に設定することができる。
 補助表には一般補助表と固有補助表が存在する。一般補助表は6種類存在し、書籍の出版形式や地理、海洋、言語等の分類を行うことができる。一方で固有補助表は特定の分類項目に対して適用されるもので、例えば「178神道各宗派」に対しては1(教義)~7(布教・伝統)までの補助記号を設定することができる。

 以上、設題1・2について述べた。コンピュータ技術の伸展にともない、目録作成作業の考え方が大きく変わったこと、また、その中においてもNDCの分類方法・考え方は十分に活用できることを、本レポートを通して学ぶことができたと思う。

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情報資源組織論のレポートの参考文献はこのあたりでしょうか。

改訂 情報資源組織論 (現代図書館情報学シリーズ9)

改訂 情報資源組織論 (現代図書館情報学シリーズ9)

情報資源組織論 (現代図書館情報学シリーズ)

情報資源組織論 (現代図書館情報学シリーズ)

先生の講評がとてもきめ細やかで、またわかりやすく役に立つ物でした。しかし、講評で相当ツッコまれているのに合格にしてくれるのは優しさなのでしょうか笑。

以上、情報資源組織論のレポートでした。

図書館情報技術論 レポート(合格)

図書館情報技術論のレポートです。2度めの提出で無事合格することができました。


設題

テキストから情報技術に関する章を4つ以上特定し、
①特定した各章の内容がどの様に関連しているかについて論述して下さい。
②更に、特定した各章の内容が組み合されて図書館でどの様に応用されているか
具体例を一つ挙げて論述して下さい。

解答

以下、設題①及び設題②についてそれぞれ解答する。

設題①への解答
テキストの「第一章コンピュータに関する基礎知識」、「第二章インターネットに関する基礎知識」、「第六章データベースの仕組み」及び「第七章検索エンジンの仕組み」の各章の関連性について以下に述べる。
まず、第一章と第二章の関係性については、第二章で述べられているインターネット技術の発展において、第一章で述べられているコンピュータ間の通信技術がベースとなっていることが挙げられる。我々は、電話網を活用したISDNADSLや、FTTH等の通信回線を利用し、他のコンピュータと相互通信することで、インターネットを利用することができている。回線の利用においては、回線の接続サービスを提供するインターネット・サービス・プロバイダと契約することが必要になる。

次に、第二章と第七章の関係性については、第二章で述べられているインターネット上の情報資源の探し方の代表であるサーチエンジンは、第七章で述べられている検索技術を利用したものであることが挙げられる。インターネット上にはあまりに多くの情報が存在するため、その情報をいかにして収集し、検索できるようにするかが重要となる。第七章で述べられている検索エンジンのクローラは、第二章で述べられているハイパーテキストのリンク情報をたどり、情報を蓄積・構造化する。リンクをたどることで、広大なインターネットの世界から情報を捜索することができる。一方で、インターネット上に存在するがどこからもリンクが設定されていない情報(いわゆる深層Web)については、検索エンジンでは検索することができない。

また、第六章と第七章の関係性については、第六章で述べられているデータベース技術は、第七章で述べられている検索エンジン技術の基礎的なものとなるということが挙げられる。上述したとおり、検索エンジンのクローラはリンクをたどってインターネット上の情報を収集するが、収集された情報はデータベースシステムに蓄積されていく。蓄積された情報量は膨大なものとなるが、データベースの索引(index)を活用することで、膨大なデータ量から素早く必要な情報を探しだすことができるようになる。

設題②への解答
①で論じた技術は、図書館においても活用されている。本レポートでは具体的な例として、テキストの第五章で述べられている、国立情報学研究所が提供する目録所在データベースシステムであるNACSIS-CATを対象として、各技術がどのように応用されているのか述べる。

NACSIS-CATは、参加する図書館が共同で目録を作成するためのシステムであり、各図書館は作成した
目録を共通データベースに反映したり、他の図書館が作成した目録情報を取得して自館のシステムに登録したりすることができる。目録情報の登録及び取得のどちらの処理においても、各図書館の拠点とNACSIS-CA
Tを提供する国立情報学研究所のサーバ間は相互に通信を行う必要がある。そこで、第一章で述べられているLANや電話回線・ブロードバンド回線等の通信技術を活用し、遠隔地間でのデータのやり取りを実現することが必須となる。また、NACSIS-CATへ接続する際には、第二章で述べられているインターネット網を利用し、参加館は国立情報学研究所のサーバへアクセスすることができる。
さらに、書誌ユーティリティである国立情報学研究所のサーバは、膨大な量の目録を保持し、参加図書館のリエストに対して検索・出力する処理を実施する必要がある。そこで、第六章で述べられているデータベース技術が重要となる。膨大なデータに対してインデックスを付与するなどして、リクエストに対して高速に検索処理を実現している。
参加図書館が収集されたデータベースへアクセスする際には、第二章で述べられている通信プロトコルに基づく相互通信により、情報をやり取りする仕組みが活用される。参加図書館はNACSIS-CATへデータベース照会のリクエストを送信すると、NACSIS-CAT側ではリクエストに基づきデータベースを検索し、レスポンスを返す仕組みとなっている。
また、NACSIS-CATにて保持されている目録情報をインターネット上で検索できるNACSIS WebCATでは、第二章で述べられているインターネット技術及び第七章で述べられている検索機能が応用されている。

このように、図書館においてはコンピュータ・ネットワーク・データベース・検索エンジン等の各技術が活用され、図書館業務の効率化や高度化に役立てられており、情報通信技術と図書館業務は切り離せない関係にある。

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図書館情報技術論のレポート作成に参考となる文献はこのあたりでしょうか。大向先生の「ウェブがわかる本」は、大変読みやすくまた基本的な事項を網羅しているので、あまりこの分野に詳しくない人が最初に読む本としておすすめです。

ウェブがわかる本 (岩波ジュニア新書)

ウェブがわかる本 (岩波ジュニア新書)

デジタル・アーカイブの最前線 (ブルーバックス)

デジタル・アーカイブの最前線 (ブルーバックス)

図書館情報技術論のレポートの採点はいかに設題にそっているかという点で行われます。一回目の提出では、設題に完全一致していない解答だったため、再提出となってしまいました。
設題の通り、各章の関係性を見出し、列挙し、さらにその技術が図書館でどのように活用されているかのみを記述し、他の要素は全て省いたレポートとすることが肝要だと感じました。

以上、図書館情報技術論のレポートでした。

本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

図書館情報資源概論 レポート(合格)

図書館情報資源概論のレポートです。夏になって他の方の学習も本格化してきたせいか、返却に随分と時間がかかりました。


設題

電子図書館の必要性を述べるとともに、日本の公共図書館が今後どのような情報資源を収集し、電子図書館サービスを提供すべきなのかを論じなさい。

解答

1.電子図書館について
1.1.電子図書館の定義
電子図書館の明確な定義は存在しないが、図書館情報学用語辞典によれば、「資料と情報を電子メディアによって提供すること、とりわけネットワークを介して提供することをサービスの中心に据えて、従来の図書館が担ってきた情報処理の機能の全体または一部を吸収し、さらに高度情報化社会の要請に呼応した新しい機能を実現させたシステムまたは組織、機関」であると定義している[1]。つまり、電子図書館電子書籍やデータベース、映像や画像コンテンツ等の情報資源を管理し、検索・提供を可能とするインターネット上の図書館と捉えられる。

1.2.電子図書館の必要性
インターネットの登場からブログの普及、SNSの興隆、UGCの広がりなどにより、電子書籍や電子ジャーナル、もしくは音声・映像コンテンツ等は爆発的な広がりを見せている。その中で、物理的な実態を持たない電子化された情報をいかに収集・蓄積し、利活用するかという課題がある。電子図書館という考え方は、この課題に対する答えの一つとなる。利用者側のメリットとしても、電子図書館は24時間どこからでもアクセスできることや、同じコンテンツを複数の利用者で利用することができることなど、利便性の高いサービスを提供することができる。

2.公共図書館による電子出版物のこれまでの提供について
電子図書館という考え方の端緒は、1994年に長尾真らが開発を行なったAriadneである[2]。ただし、これはあくまで電子図書館の学術的な実証を意図したものであり、住民サービスとして公共図書館電子図書館サービスを提供した初めての事例としては、2002年の岩見沢市立図書館が挙げられる。岩見沢私立図書館では、市民向けに図書館内のPC端末にて岩波文庫の100程度のタイトルを閲覧できるサービスを提供した。その後、岩見沢市立図書館は電子図書館サービスを拡充したが、現在では電子図書館システムの構築ベンダの撤退に伴いサービスを停止している。
また、公共図書館による事例ではないが、パブリックドメインとなった著作物を無料公開している青空文庫も、電子図書館の一種であると考えられる。青空文庫は1997年に設立されて以来、ボランティアによる運営ながらその蔵書数を伸ばし続け、現在では約13,00冊のタイトルを無料で閲覧できるサービスとなっている。
一方で、電子図書館という考え方自体は古くから存在するものの、現在でも電子図書館は一般に普及しているとは言いがたい。2014年の図書館統計[3]によれば、全国に公共図書館は3246館あるが、そのうち電子図書館サービスを実施している図書館は50館程度[4]であり、全体の数%程度にとどまっている。

3.今後日本の公共図書館が提供すべき電子図書館サービスについて
公共図書館において電子資料を提供する理由として、以下があげられる。

・障害をもった方へのサービス
ビジネスパーソン等多忙な方や何らかの理由で来館が難しい方へのサービス

電子書籍の特徴として、拡大が自由にできること、また電子書籍リーダにより音声読み上げ機能等が利用できることがあげられる。このような特徴を持った電子書籍は、障害者向けサービスとして有用である。公共図書館は、障害を持った方向けに積極的に電子図書館サービスを提供するべきであると考えられる。
また、自宅にいながらインターネットで電子書籍の貸し借りが可能である電子図書館は、図書館の利便性を上げるものである。図書館に足を運ぶ時間が取れないために図書館サービスを利用できない方に向けて、電子図書館サービスを提供することは有用である。また、足が不自由であるなどの理由で図書館への来館が困難である方向けに図書館サービスを実施することもできる。

一方で、電子図書館サービスにおいては課題も存在する。ひとつは、電子図書館提供ベンダのロックインという面である。電子図書館システムや、そこで提供される電子資料の形式等は、提供するベンダに依存するものであり、サービスを提供するベンダが事業から撤退した際には継続したサービスの提供が困難になる。上述した岩見沢市立図書館も、ベンダの撤退によりサービスの継続が不可能になった霊である。
また、全出版物のうち、電子書籍化されているものはまだまだ多くない状況である。コンテンツが少ないことが電子図書館の普及の妨げとなっていると思われる。電子図書館サービスを提供するにあたっては、利用者が満足の行くコンテンツ量を提供することが、電子図書館の利便性を高め、普及を促進すると思われる。

今後、電子書籍、映像資料等が爆発的に増えていくと予想される。その中で、電子図書館サービスが提供できる価値は今後も高まっていくと思われる。公共図書館として、住民向けにどのようなサービスが提供できるかについては電子書籍の黎明期である現在から積極的に考えていく必要がある

参考文献

[1] 図書館情報学用語辞典第4版 2013 日本図書館情報学会 丸善出版
[2] 電子図書館Ariadneの開発(1)~(5) 1995 長尾真他
[3] 日本の図書館統計 公共図書館 2014集計
[4] 日本の公立図書館による電子書籍/電子図書館サービス http://oui-oui.jp/eb-lib/

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レポートの作成にあたりさんこうになりそうな文献はこのあたりでしょうか。わたしも主に根拠情報としてこれらの文献を参照しつつレポートを作成しました。

図書館情報学用語辞典 第4版

図書館情報学用語辞典 第4版

日本の図書館 2014―統計と名簿

日本の図書館 2014―統計と名簿

お題が電子図書館ということで、解答するのはなかなか難しかったです。論理的なつながりが明確であるかどうかが重視されているような気がするので、章立てをしっかりして前後のつながりのある文章にすれば、合格することはできると思います。
電子図書館には、個人的にはとても期待しているのですが、現実問題として電子書籍化されている書籍数が少ないことや非協力的な出版社が多いことなども有り、電子図書館サービスを実施している図書館は多少増えてきているものの品揃えがイマイチだったりと、本格普及には遠い状態です。電子書籍共々、今後どのような展開を迎えていくのかが楽しみです。

以上、図書館情報資源概論のレポートでした。

本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

司書資格の学習の進捗状況(7月末時点)

7月までの学習の進捗状況です。6月末の科目終末試験は3科目受験しましたが、無事全科目合格することができました。順調に行けば、7月・8月の科目終末試験で演習以外の単位を取得できそうです。
また、メディア授業についてですが、メディア授業は10月まで履修登録ができないことを知りませんでした・・・取り急ぎ、演習以外の学習を完了させた後に、ゆっくりと演習に取り組みたいと思います。

基礎科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
生涯学習概論 3/17 4/5 6/27
図書館概論 3/10 4/5 6/27
図書館情報技術論 3/14 - -
図書館制度・経営論 4/15 5/1 6/27
図書図書館史 3/29 4/10 7/27

図書館サービスに関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館サービス概論 4/26 5/17 6/27
情報サービス論 5/17 6/18 7/27
児童サービス論 6/6 6/17 7/27
情報サービス演習 - - -

図書館情報資源に関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館情報資源概論 7/13 - -
情報資源組織論 7/21 - -
図書館情報資源特論 7/18 - -
情報資源組織演習 -- -


以下、参考記事です。

zbtn.hatenablog.com