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近畿大学通信課程で図書館司書を目指すブログ

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図書館史 レポート(合格)

続いて、図書館史のレポートも返却されました。テンポが良くてとても助かります。
合格レポートは以下のとおり。


設題

日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代・中世・近世・近世以降)の図書館発展の特徴を骨太に要約し、かつ私見(400字以内)をのべてください。


解答

西洋の図書館の発展について古代・中世・近世・近世以降の4つの時代に分けて述べる。

1.古代
 現在考古学上で明らかになっている最も古く、最も有名である図書館は、メソポタミアの古代アッシリアの首都ニネヴェにあった王立図書館である。この図書館は、アッシュール・バニパル王(BC668~626)が設立した図書館で、粘土板の図書約3万枚を集めていたと言われている。集められた図書は宗教・政治・科学・文学・神話といった主題別に整理された。
 また、プトレマイオス朝プトレマイオス1世が創設したアレクサンドリア図書館には、数十万冊のパピルス製図書が保管されていたと言われている。アレクサンドリア図書館では、ピナケスという総合目録が作成されており、この時代に目録というシステムが存在していたことは注目点である。
 古代において有数の規模を誇ったアレクサンドリア図書館に対抗するために、アッタロス王朝の首都ペルガモンにペルガモン図書館が設立された。ペルガモンはパピルスの輸入が困難になったこともあり、羊の皮から羊皮紙を作り出す技術を開発した。ペルガモン図書館は羊皮紙でできた図書を20万冊所蔵していたと言われている。

2.中世
 時代が中世に入ると、ヨーロッパではキリスト教が教育や文化の大きな推進役となった。そこでは、多くの修道院が設立され、神学の追求や教育が行われた。修道院には図書館が設置されていた。修道院図書館には写本室が設置され、キリスト教関連の本やギリシャ・ローマの古典の写本が行われた。図書を収集し、また写本により普及させることで、中世の修道院は、古代より続く文化の継承役として大きな役割を果たした。
 
3.近世
 15世紀に入ると、グーテンベルクが発明した活版印刷により、これまで写本に必要だったコストは大きく下がり、人々は安価に本を購入できるようになった。当初は活版印刷により作成された本を写本よりも劣ったものとみなす動きもあったが、コストや利便性の高さには勝てず、15世紀にヨーロッパで印刷された刊本は2000万冊とも言われるほどまで普及した。活版印刷により人々は容易に知識に触れることができるようになり、文化水準は大きく向上した。
 ルターは活版印刷技術を最大限に活用した革命家として知られている。ルターの書いた新教に関する論文は、活版印刷により多くの人びとの心を揺り動かし、宗教改革運動の盛り上がりの要因となった。
 
4.近世以降
 フランスでは、16世紀のフランソワ1世の時代に王室図書館が確立され、ルイ14世の時代には7万冊もの蔵書を有していたと言われている。しかし、フランスの図書館をさらに大きく発展させたのはフランス革命であった。フランス革命においては、特権階級の人々のための文献を国民に開放しようという政策がとられ、教会・貴族・修道院の図書館の蔵書を全て没収し、王室図書館改めフランス国立図書館に移した。これにより、フランス国立図書館の蔵書は30万冊にもなった。さらに、図書館の公共性が認識されたこともあり、没収図書や寄付された図書を中心に市立図書館も多く設立された。
 他国でも、同様に一般市民が利用できる図書館の設置が進み、アメリカでは会員制の図書館が普及するなど、市民の知的レベル向上のために図書館は大きな役割を担った。
 最近では、図書館は大衆化され誰でも無料で利用できるようになった。また、科学技術の発展に伴い、出版物・雑誌などの冊数も飛躍的に増大した。情報化技術が発展したことにより、図書の検索・管理方法も変化してきており、紙に変わる新たな記憶媒体としてマイクロフィルム電子書籍等も登場している。

5.図書館の歴史に関する私見
 図書館史を学習して最も注目したことは、文字を記録し、後世に伝えることが文化の飛躍的な発展につながっているということである。古代よりエジプトのパピルスメソポタミアの粘土板、中国の竹簡など、様々な媒体を用いて技術や宗教儀式、文化様式などを次世代に伝える試みがなされ、それにより各文明が発展してきたことは興味深かった。
 その中で、図書館は記録媒体に記憶された知識の散逸を防ぐ役目として、古代より重要な役割を持っていたことを感じた。しかし、改めて歴史を見てみると図書館が公共のものとして一般市民に開放されたのは、その萌芽は各時代・各地域に見られるものの、最近のことであることがわかる。図書館のもたらす知識が一般市民に開放されたことが、近年の爆発的な科学技術の発展につながっているとも考えられ、知識を保持し多くの人へ普及させる図書館の役割の重要性を感じた。


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図書館史の参考文献としては、このあたりでしょうか。特に、日本図書館協会の出版物のテキストは、かなりわかりやすく書かれている印象でした。読み物としても中々良いです。

図書・図書館史 (現代図書館情報学シリーズ)

図書・図書館史 (現代図書館情報学シリーズ)


図書館史は個人的にとても興味があった科目で、早く勉強したかったので予定とは異なり序盤に学習してしまいました。
テキストは古代~近代にかけて図書館の萌芽から発展を学ぶことができるとても良いものでした。
図書館史を勉強すると、国立図書館や公立図書館、学校図書館の違いや設立根拠などについての理解が進みやすいように思います。
そういう意味では、図書館概論と同時に学習すると良いのではないでしょうか。

zbtn.hatenablog.com


以上、図書館史のレポートでした。
本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!