近畿大学通信課程で図書館司書を目指すブログ

社会人が司書資格の取得を目指すブログ

司書資格の学習の進捗状況(4月末時点)

いよいよ年度が始まり、司書資格の勉強が本格化しました!

提出したレポートのうち採点が返ってきたものは5科目、うち4科目が合格で、厳しいという評判だった図書館情報技術論は不合格でした。
図書館情報技術論のレポートに対する講評を読む限りは、このレポートで求められるのはテキストをコピペすることのようです。
あまり自分の意見をいれずに、テキストをそのまま書き写すことで合格が貰えそうな感じがします(それに意味があるのかはよくわかりませんが・・・)

本当は基礎科目が終わった後は図書館情報資源に関する科目を進めていこうと考えていたのですが、図書館情報資源概論のテキストが現在改訂作業中とのことで、中々届かず着手できませんでした。そこで、予定を変更して図書館サービスに関する科目から学習を進めています。

5月は初めての終末試験があるので、それに向けて頑張りつつ、残りのレポートも適宜進めていこうと思います。

基礎科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
生涯学習概論 3/17 4/5 -
図書館概論 3/10 4/5 -
図書館情報技術論 3/14 - -
図書館制度・経営論 4/15 5/1 -
図書・図書館史 3/29 4/10 -

図書館サービスに関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館サービス概論 4/26 - -
情報サービス論 - - -
児童サービス論 - - -
情報サービス演習 - - -

図書館情報資源に関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館情報資源概論 - - -
情報資源組織論 - - -
情報資源組織演習 - - -
図書館情報資源特論 - - -

以下、参考記事です。

zbtn.hatenablog.com

zbtn.hatenablog.com

図書館史 レポート(合格)

続いて、図書館史のレポートも返却されました。テンポが良くてとても助かります。
合格レポートは以下のとおり。


設題

日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代・中世・近世・近世以降)の図書館発展の特徴を骨太に要約し、かつ私見(400字以内)をのべてください。


解答

西洋の図書館の発展について古代・中世・近世・近世以降の4つの時代に分けて述べる。

1.古代
 現在考古学上で明らかになっている最も古く、最も有名である図書館は、メソポタミアの古代アッシリアの首都ニネヴェにあった王立図書館である。この図書館は、アッシュール・バニパル王(BC668~626)が設立した図書館で、粘土板の図書約3万枚を集めていたと言われている。集められた図書は宗教・政治・科学・文学・神話といった主題別に整理された。
 また、プトレマイオス朝プトレマイオス1世が創設したアレクサンドリア図書館には、数十万冊のパピルス製図書が保管されていたと言われている。アレクサンドリア図書館では、ピナケスという総合目録が作成されており、この時代に目録というシステムが存在していたことは注目点である。
 古代において有数の規模を誇ったアレクサンドリア図書館に対抗するために、アッタロス王朝の首都ペルガモンにペルガモン図書館が設立された。ペルガモンはパピルスの輸入が困難になったこともあり、羊の皮から羊皮紙を作り出す技術を開発した。ペルガモン図書館は羊皮紙でできた図書を20万冊所蔵していたと言われている。

2.中世
 時代が中世に入ると、ヨーロッパではキリスト教が教育や文化の大きな推進役となった。そこでは、多くの修道院が設立され、神学の追求や教育が行われた。修道院には図書館が設置されていた。修道院図書館には写本室が設置され、キリスト教関連の本やギリシャ・ローマの古典の写本が行われた。図書を収集し、また写本により普及させることで、中世の修道院は、古代より続く文化の継承役として大きな役割を果たした。
 
3.近世
 15世紀に入ると、グーテンベルクが発明した活版印刷により、これまで写本に必要だったコストは大きく下がり、人々は安価に本を購入できるようになった。当初は活版印刷により作成された本を写本よりも劣ったものとみなす動きもあったが、コストや利便性の高さには勝てず、15世紀にヨーロッパで印刷された刊本は2000万冊とも言われるほどまで普及した。活版印刷により人々は容易に知識に触れることができるようになり、文化水準は大きく向上した。
 ルターは活版印刷技術を最大限に活用した革命家として知られている。ルターの書いた新教に関する論文は、活版印刷により多くの人びとの心を揺り動かし、宗教改革運動の盛り上がりの要因となった。
 
4.近世以降
 フランスでは、16世紀のフランソワ1世の時代に王室図書館が確立され、ルイ14世の時代には7万冊もの蔵書を有していたと言われている。しかし、フランスの図書館をさらに大きく発展させたのはフランス革命であった。フランス革命においては、特権階級の人々のための文献を国民に開放しようという政策がとられ、教会・貴族・修道院の図書館の蔵書を全て没収し、王室図書館改めフランス国立図書館に移した。これにより、フランス国立図書館の蔵書は30万冊にもなった。さらに、図書館の公共性が認識されたこともあり、没収図書や寄付された図書を中心に市立図書館も多く設立された。
 他国でも、同様に一般市民が利用できる図書館の設置が進み、アメリカでは会員制の図書館が普及するなど、市民の知的レベル向上のために図書館は大きな役割を担った。
 最近では、図書館は大衆化され誰でも無料で利用できるようになった。また、科学技術の発展に伴い、出版物・雑誌などの冊数も飛躍的に増大した。情報化技術が発展したことにより、図書の検索・管理方法も変化してきており、紙に変わる新たな記憶媒体としてマイクロフィルム電子書籍等も登場している。

5.図書館の歴史に関する私見
 図書館史を学習して最も注目したことは、文字を記録し、後世に伝えることが文化の飛躍的な発展につながっているということである。古代よりエジプトのパピルスメソポタミアの粘土板、中国の竹簡など、様々な媒体を用いて技術や宗教儀式、文化様式などを次世代に伝える試みがなされ、それにより各文明が発展してきたことは興味深かった。
 その中で、図書館は記録媒体に記憶された知識の散逸を防ぐ役目として、古代より重要な役割を持っていたことを感じた。しかし、改めて歴史を見てみると図書館が公共のものとして一般市民に開放されたのは、その萌芽は各時代・各地域に見られるものの、最近のことであることがわかる。図書館のもたらす知識が一般市民に開放されたことが、近年の爆発的な科学技術の発展につながっているとも考えられ、知識を保持し多くの人へ普及させる図書館の役割の重要性を感じた。


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図書館史の参考文献としては、このあたりでしょうか。特に、日本図書館協会の出版物のテキストは、かなりわかりやすく書かれている印象でした。読み物としても中々良いです。

図書・図書館史 (現代図書館情報学シリーズ)

図書・図書館史 (現代図書館情報学シリーズ)


図書館史は個人的にとても興味があった科目で、早く勉強したかったので予定とは異なり序盤に学習してしまいました。
テキストは古代~近代にかけて図書館の萌芽から発展を学ぶことができるとても良いものでした。
図書館史を勉強すると、国立図書館や公立図書館、学校図書館の違いや設立根拠などについての理解が進みやすいように思います。
そういう意味では、図書館概論と同時に学習すると良いのではないでしょうか。

zbtn.hatenablog.com


以上、図書館史のレポートでした。
本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

生涯学習概論 レポート(合格)

生涯学習概論についても、出して1日で添削が帰ってきました。
年度初めということもあるのか、素晴らしい速度ですね。

以下、合格レポートです。


1.ポール・ラングランが提唱した生涯教育理論について
 生涯教育という考え方の源流は1789年のフランス革命時代と考えられているが、生涯教育論が初めて世界的に注目されたのは、1965年にパリのユネスコで開催された成人教育推進国際委員会においてであった。この会議においてポール・ラングランが提出した「生涯教育について」と題するワーキングペーパーが契機となり、生涯教育という考え方は世界的に議論を巻き起こすことになった。
 ポール・ラングランは、生涯教育の意義を「教育の年齢・教育方法・教育内容などの統一・統合にある」と述べている[1]。これは、児童期・青年期に受ける学校教育、家庭で受ける家庭教育、職場やコミュニティ等で受ける社会教育を個別のものとして捉えるのではなく、生涯に渡り教育を受けられるように、全体的なものとして捉えるということである。
 ポール・ラングランは、生涯教育が必要になる理由の第一に「現代社会の激しい変化」をあげている[2]。世界的な戦争が終結し、世界が拡大傾向に入った1960年代は、科学技術の進歩や人口増加により社会が加速度的に変化する時代であった。社会の変化に伴い起こり得る様々な課題に対応するためには、今現在起きていることを理解し、解決策を見出していく能力が必要となる。このような社会情勢の中では、教育は決して若いうちにのみ受ければ良いものではなく、生涯に渡り学び続けることが重要になる。ポール・ラングランが提唱した生涯教育論は、このような時代背景のもとにおいて生まれたものであった。
 ただし、ポール・ラングランの生涯教育論は、ヨーロッパや先進国を中心としたものであり、また論理的には優れていたが理念的すぎたために批判も多く、その後のリカレント教育やジェルピの生涯教育論により補完され、発展が図られることになった。

2.ポール・ラングランの生涯教育理論が我が国の施策に及ぼした影響について
 ポール・ラングランの生涯教育論は、1967年に波多野完治氏により翻訳され、日本に紹介された。当時、日本は高度経済成長時代であったが、一方で経済発展の代償として公害問題や自然破壊問題、コミュニティの破壊による社会的な歪みなどの様々な問題が認識され始めた時代でもあった。そのような時代背景において、生涯教育論は産業界をはじめとして注目をあつめることになり、当時の文部省の審議会である中央教育審議会、社会教育審議会でも検討がなされた。しかし、両審議会が発表した答申によって示された生涯教育の理念は、オイルショックによる不況下において、理念よりも実務を必要としていた産業界にすぐに受け入れられることはなく、あくまで教育改革の方向性を示すもの以上にはならなかった。
 日本における生涯教育の施策が具体的したのは、その後1981年に中央教育審議会から発表された「生涯教育について」という答申によるところが大きい。この答申では、生涯教育を具体的に実現させる方策として、生涯教育の仕組みが課題である、と示している[3]。さらに、生涯教育が必要とされる背景、生涯教育と生涯学習の明確な定義や生涯教育の各段階の明確化を実施し、生涯教育施策の大きな推進力となった。政府は、この中央教育審議会の答申をベースとして具体的な施策を検討するために、内閣総理大臣の諮問機関として臨時教育審議会を設置した。臨時教育審議会では、教育の改革をテーマとして生涯学習体系への移行を進めるための具体策について検討を実施し、計4回の答申をまとめた。政府は、臨時教育審議会の答申の趣旨を実現するために、1987年に教育改革推進大綱を閣議決定した。教育改革推進大綱により、文部省は新たに生涯学習局を設置し、生涯学習に関する行政を担当させることにした。また、1990年には生涯学習振興法が成立し、生涯学習の振興のための都道府県の役割や地域の生涯学習基本構想、及び生涯学習審議会が定義された。都道府県は、同法を根拠に生涯学習推進センターの設置や生涯学習の普及啓発、住民への学習機会の提供といった行政サービスを実施することになった。
3.まとめ ポール・ラングランの提言により、変化する社会に対応するための生涯教育が理念として明確化され、日本においてはその理念に基づき各審議会の答申、教育改革推進大綱の閣議決定生涯学習振興法の成立がなされ、現在でも生涯学習に関する行政サービスが実施されている。社会の変化はポール・ラングランの時代よりもさらに加速しており、今後もより生涯学習の役割は重要になってくるのだと予想される。「生涯教育」ではなく、「生涯学習」という言葉が示す通り、生涯学習はひとりひとりの意識が重要なものであり、現代においてどのような生涯学習が必要であるのかは、私達一人ひとりが考えていくべきものであるのではないか。

<参考文献>
[1] 坂井 暉「生涯学習概論」近畿大学情報教育部, 2014, P9
[2] 坂井 暉「生涯学習概論」近畿大学情報教育部, 2014, P12
[3] 坂井 暉「生涯学習概論」近畿大学情報教育部, 2014, P26


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生涯学習概論のレポート作成にあたり参考になる文献はこのあたりでしょうか。ただ、この科目のレポートは大学のテキストをじっくり読み込めばある程度作成できるのではないかと思います。

生涯学習概論―生涯学習社会への道

生涯学習概論―生涯学習社会への道

生涯学習概論 第1次改訂版

生涯学習概論 第1次改訂版


図書館概論に引き続き早期に返却されたレポートです。講評でも良い評価をもらうことができました。
生涯学習の歴史について俯瞰的に学ぶことができるとても良い設題だと思います。
学習してみて感じたのは、生涯学習概論を最初に勉強しておくと、その後の各科目の学習の理解が進みやすいということです。
生涯学習というキーワードは図書館において重要であり、なぜ住民にサービスを提供しなければならないのかという根本的な理解に繋がると思います。
個人的には、図書館概論よりも先に学習しても良いかなという気がしました。

zbtn.hatenablog.com



以上、生涯学習概論のレポートでした。
本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

図書館概論 レポート(合格)

さっそく、最初に提出した図書館概論のレポートが返却され、無事合格することができました。返却までなんと1日!すごい速さですね。

お題が公共図書館の調査だったので、近所のよく通っている図書館についてレポートを書いてみました。よろしければ、みなさんのレポート作成の参考にしてみてください。

一応ですが、本レポートのコピーをそのまま提出するのは避けてくださいね。

 

お題

公共図書館を1つ選んで、設備(規模、単独館か複合館)、立地、蔵書数、貸出数、図書館職員数、実際の図書館サービスについて調査やインタビューを行いなさい。公共図書館は、中央館、分館、地域館、分室または公民館図書室を1つ選びなさい。必ず図書館名と所在地を記入すること。この調査を通じて、対象とした公共図書館に期待することおよび感想を述べなさい。 調査前にアポイントを取ることが望ましい。

 

回答

東京都xxxxxxxにあるxxx図書館について調査を行った。
xxx図書館は、美術館や児童館、体育館などが並ぶ複合施設の一角に立地している。xxx図書館は、xx区の中央館であるxx図書館を含め、他の7つの図書館と連携しながら図書館サービスを提供している。なお、以下の調査内容は、注釈がないものについてはすべて平成26年3月末の調査結果に基づくデータである。

1.設備について

xxx図書館は、複合施設の中に立地はしているが、建物自体は独立している。広さは床面積で1,339平方メートルあり、訪問した際にも広い空間である印象を受けた。閲覧用に、机ありの席が75席、椅子のみ45席の計120席が設置してある。

xxx図書館は火曜日から土曜日は9時から19時まで、日曜日・祝日は9時から17時まで開館しており、社会人にとっても利用しやすい。

2.立地について

上述のとおり、xxx図書館は区の施設が立ち並ぶ中にあり、まわりには木々や公園もあり緑があふれる居心地の良い場所に立地している。最寄りのxx駅からも徒歩10分程度の距離であり、アクセス性も高い。また、駐車場や駐輪場も完備しており、遠方からの訪問も可能となっている。

3.蔵書数について

xxx図書館は、一般書94,883冊、児童書21,499冊、コミック1,871冊、外国語の本が2,004冊の計120,257冊を所蔵している。また、雑誌を161タイトル、新聞等を41紙、CDを15,171枚、児童向けのおもちゃを146個保有している。なお、児童向けのおもちゃは住民への貸出も行っている。

4.貸出数について

H26年度の年間の来館者数がのべ260,954人であり、そのうちのべ126,735人が貸出を受けている。H27年度の年間総貸出数は426,721冊である。その内訳は、図書・雑誌が386,994冊、視聴覚資料が39,306、その他421である。インターネット上で蔵書の検索・予約サービスを提供し始めたH15年度より、貸出数は大きく増加をしたとのことである。

その他、図書館相互協力として、xx区内の他の図書館向けに、1,191冊を貸し出しており、一方で693冊を借り受けている。

5.図書館職員数について

xxx図書館は、常勤職員が39人で、うち16人が司書又は司書補の資格を持っている

6.実際の図書館サービスについて

xxx図書館は、xx区が運営する公共図書館であるが、xx区民に限らず誰でも利用することができる。実際に、私はxx区民であるが、自宅から最も近い図書館がxxx図書館であるため、本を探す際にはこちらの図書館を利用している。ただし、貸出を受けるためには利用者登録を行う必要がある。

貸出点数は図書・雑誌・CD等すべてで総計20点以内である。返却期限は2週間となっている。

返却については、図書館の開館時間帯であれば返却カウンターへ、閉館時間帯であれば図書館入口に設置してある貸出ポストにて返却をすることができる。

本を探す際には、図書館内にも検索端末が設置してあるが、Web上でxx区内の各図書館の蔵書検索及び貸し出し状況の確認を行うこともできる。さらに、貸出中の図書についてはWeb上で予約をすることもでき、大変便利である。
また、児童向けのサービスとして、絵本の読み聞かせ・紙芝居等の催し物を実施しており、私がこのレポートを書くにあたり図書館を訪問した際にも、お話し会として絵本の読み聞かせを実施していた。その他、障害を持った方向けに大活字本・拡大写本・点字図書の提供や、対面での朗読・点訳サービスを提供している。

7.公共図書館に期待すること・感想

私は以前別の市町村で暮らしていた時にもその自治体が運営する公共図書館を利用していたが、現在の住居に引越をし、xxx図書館を利用するようになって以来、図書館を利用する頻度が大きく上がったと思う。利用頻度があった理由として、実際に図書館に足を運ばなくても、Web上で蔵書の検索や予約ができることが大きいと感じている。特に自治体の公共図書館では、専門的な資料を探そうとしても中々が蔵書になかったり、あったとしても貸し出されていることがあり、その時には遠方の出身大学の図書館まで足を運ぶ必要があった。事前に最寄りの図書館で蔵書を確認し、資料の有り無しを知ることができるのは、住民サービスとしてとてもありがたいことだと感じている。

図書館のサービスについては、利用時に不満を感じたことはなく、職員の皆様も感じの良い方ばかりである。ただ、外部委託範囲の拡大が進む現在の図書館に関する社会情勢のなかで、現在のようなサービスをどこまで継続できるのかについては、心配な点である。

<参考ホームページ>
xxx図書館Webサイト http://xxxxxxxxxx

 

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図書館概論のレポートを作成するにあたって参考にした文献はこのあたりです。「未来をつくる図書館」は、直接レポートには関係ないですが、名著なのでここに載せておきました。もう既に読んだことのある人も多いとは思いますが、図書館司書を目指す人なら必読だと思います。きっと興奮しながら読むことができると思います。

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

 

 

 

 

講評は一行程度のものでしたが、最初に返却されたレポートだったのでとても嬉しかったです。基本的にきっちり地元の図書館について調べておけば、落とされることも無いのかなと思います。

図書館概論のレポートは図書館の現地調査が必要ですが、図書館サービス概論のレポートも同様に現地調査が必要になるので、後になって考えるとこの2つのレポートは同時に提出したほうが効率的でした。

 

zbtn.hatenablog.com

 

ということで、図書館概論のレポートでした。

本記事が参考になりましたら幸いです。司書資格取得に向けてがんばってください!

司書資格の学習の進捗状況(3月実績)

司書資格の学習をはじめて1か月弱経過しましたが、ここで学習の進捗状況を整理してみたいと思います。

基礎科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
生涯学習概論 3/17 - -
図書館概論 3/10 - -
図書館情報技術論 3/14 - -
図書館制度・経営論 - - -
図書・図書館史 3/29 - -

図書館サービスに関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館サービス概論 - - -
情報サービス論 - - -
児童サービス論 - - -
情報サービス演習 - - -

図書館情報資源に関する科目:

科目名 レポート作成 レポート合格 試験合格or演習完了
図書館情報資源概論 - - -
情報資源組織論 - - -
情報資源組織演習 - - -
図書館情報資源特論 - - -

このところ出張が多いこともあり、新幹線の中でだいぶ学習が進んでいます。
当初予定よりもだいぶ早くレポートを作成することができていますが、今後科目終末試験を受けるのは早くても5月となるので、それまで記憶を維持するのが難しいかもしれませんね。

この調子で頑張っていこうと思います!

図書館の歴史について

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司書資格の要件となる科目の一つに「図書館史」という選択科目があります。今日は、その科目について勉強したことをまとめ、図書館の歴史について書いてみたいと思います。

 

目次

 

記録媒体の起源について

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図書館の起源を辿る前に、そもそもの記録媒体の起源から辿ってみましょう。

現代では、紙が主流の記録媒体として活用されていますが、古代においてはエジプトのパピルスメソポタミアの粘土板、中国の竹簡など、様々な媒体に情報を記録することが試みられました。文字がこれらの記録媒体に書き込まれた時代以降を有史時代と呼び、それ以前を先史時代と呼ぶわけですが、文字と文字の記録先が発明されたことによる文化の発展速度はすさまじいものでした。

古代初期においては、上記のパピルスや粘土板、羊皮紙などが主な記録媒体として活用されていましたが、これらにはそれぞれ以下のような欠点がありました。

  • パピルス・・・もろい、湿気に弱い、材料がナイル川流域でしか取れない。
  • 粘土板・・・重い。かさばる。
  • 羊皮紙・・・一冊の本にたくさんの羊(15頭くらい)の皮が必要になり高い。

一方で、中国で発明された紙は、材料が容易に取得でき、また軽くて保存しやすいものでした。現代においても紙が主流の記録媒体となっているのは、それ以前の記録媒体よりも利便性や経済性において圧倒的に優れていたからです。

しかし、実は紙の世界的な普及には1000年以上の時間がかかっています。紙が発明されたのは105年と言われていますが、中国のおとなりの朝鮮・日本に紙が伝わったのはそれぞれ593年、610年と言われていますし、ヨーロッパに至っては12世紀に至るまで紙の作成技術が伝わることはありませんでした。

 

世界最初の図書館

古代の図書館として最も有名なものは、アレクサンドリア図書館だと思います。しかし、アレクサンドリア図書館以前にも、図書館は存在していました。現在考古学上で明らかになっている最も古い図書館は、メソポタミアの古代アッシリアの首都ニネヴェにあった王立図書館です。

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この図書館は、アッシュール・バニパル王(BC668~626)が設立した図書館で、粘土板の図書約3万枚を集めていたと言われています。集められた図書は宗教・政治・科学・文学・神話といった主題別に整理されており、図書目録の起源を見ることができます。

 

アレクサンドリア図書館

アレクサンドロス大王がエジプトを征服し、エジプトの北部に築いた都市「アレクサンドリア」に、古代・中世を通して最大の図書館であるアレクサンドリア図書館はありました。アレクサンドリア図書館は、プトレマイオス朝プトレマイオス1世が創設したもので、数十万冊のパピルス製図書が保管されていました。パピルスの情報記載容量は紙の50分の1と言われているので、現代換算すると約1500万冊もの容量の図書が保管されていた、相当な規模の図書館ということになります。

 

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実は、アレクサンドリア図書館が存在した物的証拠は何もなく、その実情はわかっていないことも多いです。しかし、それゆえに太古の失われたロマンとして、人々の心を動かす存在であります。

 

ペルガモンの図書館

アレクサンドリア図書館に対抗する形でアッタロス王朝の首都ペルガモンに設立された図書館が、ペルガモン図書館です。ペルガモン図書館は、羊皮紙でできた図書を20万冊所蔵していたと言われています。

前述のとおり、パピルスはエジプトでのみ採取されますが、ペルガモンがアレクサンドリア図書館に対抗するためにアレクサンドリア図書館長の引き抜きを企てたことより、両国の関係は悪化し、ペルガモンはパピルスを手に入れることができなくなってしまいました。そこで、ペルガモンはパピルスに頼らない記録媒体として、羊の皮から羊皮紙を作り出す技術を開発したのです。

羊皮紙を利用した図書は、巻物の形で保管されるパピルスとは異なり、現在の本と同じように両面記載・冊子形態をとることができました。そのため、ペルガモン図書館は現在の本の形式の生みの親であるとも言われています。

 

ローマの図書館

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ローマは元老院に代表される高い政治当地こそ有名ですが、文化的にはギリシャに劣っていました。しかし、ローマ帝国が拡大し、ギリシャのヘレニズム文化に接触すると、ギリシャ衰退後のヘレニズム文化の普及役として大きな役割を担うことになります。

ローマの図書館は、ギリシャとの戦争の戦利品として図書を持ち帰ったことに幕を明けます。その後、歴代ローマ皇帝の庇護もあり、4世紀に至るまでにローマ市には28もの図書館があったと言われています。

ローマでは、図書館は公共図書館として市民に公開されていました。素晴らしいことに、図書館の利用は無料でした。ローマの図書館は、現代的な公共図書館の先駆者と言えるでしょう。

 

中世の修道院図書館

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時代が中世に入ると、ヨーロッパではキリスト教が教育や文化の大きな推進役となりました。そこでは、多くの修道院が設立され、神学の追求や教育が行われていました。

修道院図書館は、規模こそ蔵書数200-300冊程度と古代の図書館より劣っていましたが、修道院では写本が推奨されたこともあり、古代より続く文化の継承役として大きな役割を果たしました。

 

大学の図書館

11世紀に入ると、教会の閉鎖性からの脱却要求や学問の飛躍的進展を背景に、学問の共同体として大学が設立されました。最も古い大学の一つであると言われているボロニア大学では、最盛期で1万人が学んだと言われています。また、12世紀に設立されたパリ大学では、1350年ごろには1720巻の蔵書を有しており、当時の修道院図書館に比べると充実したものでした。

この当時の図書館において特徴的なのは、図書に鎖がついていたことです。
 

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当時は図書は高価なものであり、盗難を避けるためにこのような対策をしていたのです。しかし、活版印刷技術が普及することで、図書にまつわる事情は大きく変わることになります。

 

グーテンベルク活版印刷

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グーテンベルクが発明した活版印刷により、刊本が普及しました。刊本は写本に比べて圧倒的に安く、人々は安価に本を購入できるようになりました。しかし、当時の学者は刊本を写本よりも劣ったものとみなしており、刊本への移行は中々進みませんでしたが、それでも圧倒的な利便性には勝てず、15世紀にヨーロッパで印刷された刊本は2000万冊とも言われるほどまで普及しました。

活版印刷により人々は容易に知識に触れることができるようになり、その後のルターの宗教改革など、時代を動かす大きな契機となりました。

 

フランス革命と図書館

フランスでは、16世紀のフランソワ1世の時代に王室図書館が確立されました。フランスの王立図書館では、納本制度が導入されたことも大きく、有名なルイ14世の時代には7万冊もの蔵書を有していたと言われています。

フランスの図書館をさらに大きく発展させたのはフランス革命でした。フランス革命においては、特権階級の人々のための文献を国民に開放しようという政策がとられ、教会・貴族・修道院の図書館の蔵書を全て没収し、王室図書館改めフランス国立図書館に移しました。これにより、フランス国立図書館の蔵書は30万冊にもなりました。

フランス国立図書館は1815年時点で50万冊の蔵書を誇り、現在でも世界有数の図書館としてその地位を占めています。

 

アメリカの図書館

開拓によって誕生したアメリカの場合、他のヨーロッパ諸国とは事情が異なりました。権力者や貴族が図書館を造り、成長していくのではなく、はじめから国民の手で図書館が作られたのです。

アメリカで最初に作られた図書館は、ハーバード大学図書館でした。ハーバード大学は1638年に設立され、当初380冊の蔵書は現在では約1600万冊まで拡大しています。

アメリカの図書館事情の特徴として、会員制の図書館が普及したことが挙げられます。会員制図書館とは、会員が一定金額を拠出して図書を購入し、共同利用する図書館を指します。最初の会員制図書館はフィラデルフィアに設立されたフィラデルフィア図書館会社であり、その後会員制図書館は各地に設立されていきます。1850年には、会員制図書館数は1000以上に達し、重要な教育機関としての役割を担っていました。

 

日本の図書館

日本では、古くは律令制の役職である図書寮(ずしりょう)が現代で言うところの司書の役目を担っており、図書の収集・分類・保管役を担っていました。その後は、武士や貴族が個人的に保有する「文庫」として以上に、公共的な図書館という文化は発達しませんでしたが、江戸末期ごろになると貸本屋という文化が発達します。江戸末期には印刷技術も進んでいたことも有り、江戸には800軒ほどの貸本屋があったと言われています。

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その後、明治維新により福沢諭吉や市川清流により外国の図書館文化が輸入されることになり、日本でも図書館設立に向けた動きが加速します。市川清流の建白書が起因となり、日本で初めての官立公共図書館として湯島に書籍館が設立されました。その後、書籍館東京書籍館東京図書館と名前を変え、明治30年にいよいよ帝国図書館と改称され、上野公園に新館を建設し、蔵書数は24万部にまで至りました。

 帝国図書館はのちの国立国会図書館となり、現在も日本の国立図書館としての役割を担っています。

 

 

ということで、かなり駆け足ですが図書館がどのように誕生し、また国ごとの特色を踏まえながらどのように発展してきたかを俯瞰してみました。

図書館史をまともに勉強したら、とんでもないくらいの深さがありそうですね。私はもともと歴史が好きなのですが、図書館というテーマで歴史を切り取ると、また違う視点で歴史を俯瞰できて楽しいですね。

ということで、図書館史のレポートもこの調子で頑張ります!

 

日本にはどのような図書館があるか。図書館の種類について

近畿大学からテキストが届いたので、さっそっく図書館概論から読み進めてみました。
図書館概論の学習内容は、図書館の定義に始まり、図書館の種類ごとの設立趣旨や課題点等の整理についてといったところでしたが、その中でも私が特に面白いと思ったのは図書館の分類ごとの役割についてでした。
日本にはどのような図書館が設置されており、それぞれどのような役割があるか、感覚的には理解しているつもりでも、体系的に理解はできてはいなかったのを感じます。
ということで、日本に設置されている図書館の種類 及び その役割について以下に整理してみました。

 

図書館の分類方法

図書館の分類方法には、設置主体別 及び 利用者別の分類方法があります。設置主体別の分類では、図書館を設置者(国立・公立・私立)別に整理する考え方ですが、この分類だと例えば国会図書館と国立大学図書館は同じ分類となってしまい、実態に即していません。そこで、図書館の分類は多くの場合は利用者別に行います。

利用者別に図書館を分類すると、以下のように整理されます。
 

利用対象者 館種
全国民、国会議員 国立図書館 国立国会図書館
一般市民 公共図書館 県立図書館、市立図書館
小・中・高等学校の児童・生徒 学校図書館 小・中・高等学校図書館
大学・短大の学生及び教職員 大学図書館 国立大学図書館、私立大学図書館
企業・団体 専門図書館 企業図書館、学会図書館
視覚障害者、入院患者等 その他の図書館 点字図書館、病院患者図書館


利用者が異なれば、当然図書館が提供するべきサービスも異なるわけなので、上記の分類は図書館の実体を整理するのに適していると思います。
それでは、各図書館にはどのような特徴があるのでしょうか。

国立図書館

国立図書館は、国によって設立された図書館であり、以下の役割を担うものであるとされます。

  • 国内の出版物の網羅的な収集、保存
  • 全国書誌の作成

ここで、全国書誌とは、収集した出版物のリストのことです。全国書誌には署名、著者名、出版社等の情報を記述します。これらの情報を整理することで、出版物の網羅的な管理・把握を可能とすることが全国書誌を作成する目的です。

世界の国立図書館には、例えばアメリカ議会図書館やイギリス大英図書館等がありますが、日本おいては国立国会図書館が上記の役割を担っています。
国立国会図書館は、国会・行政・司法に対してサービスを行っており、例えば国会議員の立法活動の補佐として、関連資料の収集・分析・報告、法律案の起草や評価等の業務を行っています。

国立国会図書館は、もちろん国民も利用することができます。

公共図書館

公共図書館は、一般住民が利用するための図書館です。日本では都道府県が設立する「都道府県立図書館」と、市町村が設立する「市町村立図書館」とが、お互いに補完し合いながら住民向けサービスを提供しています。

住民が最も身近に利用することができる図書館は市町村立図書館になると思います。しかし、市町村の予算では提供するサービスに限界がありますし、規模の小さい自治体では市町村に図書館を設立することが難しいケースもあります。そこで、都道府県立図書館は中央図書館として市町村立図書館と連携して住民サービスを充実させるという役割があります。

公共図書館では、図書の収集・貸出やレファレンスサービスに加えて、絵本の読み聞かせ等の児童向けサービスや生涯学習の支援を行っています。公共図書館は、幼児~老人まですべてが利用できる、生涯学習の拠点として期待されている面もあります。

しかし、現在のインターネット社会においては、公共図書館が担うべき役割が曖昧になっていると言えます。近年では、業務委託や指定管理者制度の導入が進んでおり、自治体サービスの中でもコストカットの対象となっています。

公共図書館はなんのために設置されるのか」「企業が提供する貸本サービスとの違いは何か(行政が税金を利用して図書館を設置するメリットは何か)」という国民からの問いに答えていくことが、公共図書館が生き残っていく道なのではないかと思います。

大学図書館

大学図書館は、各大学が教育・研究活動に利用するための図書・資料を収集・保存することを目的として設置されています。大学図書館を設置する法的根拠は大学設置基準にあり、大学の設立にあたって大学図書館の設置は必須となっています。

大学図書館の大きな役割に、学術情報の収集・提供があります。ここで言う学術情報とは、たとえば学会発表論文や大学が作成するジャーナル等のことです。現在では、学術情報の管理はシステム化・ネットワーク化が進んでいます。学術情報管理のシステム化には、NII(国立情報学研究所)が大きな役割を果たしています。NIIは、学術情報の目録DBとしてNACSIS-CAT/NACSIS-ILLを提供しており、同サービスにて学術情報の所在地を各図書館横断で検索することができます。

大学図書館高等教育・研究活動に必須の機関ですが、一方で近年の少子化や大学の乱立に伴う大学経営状況の悪化により、図書館の予算も削減傾向にあります。収集する図書や研究論文雑誌の削減も進んでおり、学生や教職員向けのサービス低下も懸念されています。

学校図書館

学校図書館は、学校教育の一環として小・中・高等学校に設置される図書館です。ほぼ100%の学校に図書館が設置されており、児童・生徒の教育支援を行っています。

学校図書館は、児童・生徒が最も身近に利用できる図書館としての価値を提供しています。学校図書館は児童・生徒へ向けて図書の貸出を行うことは勿論、児童・生徒向けのレファレンス活動を行う機能、もしくは学校の刊行物等の学校の資料を蓄積するための機能としても期待されています。

学校図書館の課題として、学校図書館に専門職である司書教諭資格の取得者が少なく、また多くの司書担当教員は兼務となっており専門的に図書館の活用に取り組むことができていないという点があります。

個人的には学校図書館は子供時代において読書体験を提供してくれる貴重な場所だと思うので、ぜひとも人材リソース・予算を増やして欲しいところだと思います。

専門図書館

その他、会社や学会等、あるコミュニティで独自に設置している図書館を、専門図書館と整理するようです。私の勤務先にも、業務上必要になる資料や雑誌、論文等を集めた私設図書館がありますが、あまり利用している人は多くないですね。仕事柄省庁が作成する報告書や論文等を調べることが多いのですが、現在はインターネット上で多くの情報が手に入ってしまうこともあるのでしょう。

 

図書館の種類とそれぞれの役割の整理は以上です。これでもだいぶ端折ったほうだと思います。実際には、まだまだ書ききれないくらいに図書館の役割は存在しています。

ただ、学習しながら感じたのは、「理念・理想としての図書館の役割」と「利用者が求める図書館サービス」に乖離が発生している可能性はないか、ということです。特に、公共図書館学校図書館については、利用者の身近な場所にありサービスを提供するということが第一義なのだと思いますが、図書館が図書を貸し出すためだけの役割を担うのであれば、インターネットや物流が発達し物理的な距離の重要度が限りなく低下しているこの社会において、どこまでの価値を提供できるでしょうか。

利用者が図書館に図書の貸出機能だけを期待しているのだとすれば、多額のコストを掛けて図書館を維持する国民や住民の理解を得るのは難しいかもしれません。


国民や住民が期待する図書館の役割とはなんなのか、もう少し自分なりに考えてみる必要があるような気がしました。